医学部合格までに必要な費用は?医師になるまでの道のり
ケガや病気の人を治療する医師は、社会的にも尊敬を集める職業ですね。医師になろうと決意したら、医学部に入学する必要があります。難関である医学部に合格するためには、たくさん費用がかかり、猛勉強しなければいけないと思っている方もいるでしょう。そこで今回は、医学部合格にかかる費用や医師になるまでの道のりについて解説します。
最短で8年?一人前になるには時間がかかる!
医師になるためには、どれくらいの年月がかかるのかご存知でしょうか。まずは医師になるまでの道のりを紹介しましょう。
医学部卒業までに6年間
国内の一般的な大学は、4年間で卒業できますね。しかし、医学部に入学すると6年かけて医学の勉強をすることになります。医師になるためには、膨大な医学の知識をしっかり身につけなければいけません。
まず医学部の1・2年生では、一般教養について学びます。2年生になると、多くの場合は解剖実習が行われます。約3か月かけて全身を解剖し、臓器など人の身体の構造を学ぶのです。
つづいて3年生までは基礎医学を勉強します。そして4年生から6年生の約2年間は、臨床実習を行います。さまざまな診療科を2週間ほど回って診察したり、助手として手術に参加したりして学びを深めましょう。
臨床研修を2年間
そして6年生になると、いよいよ卒業試験と医師国家試験です。見事合格すれば、2年間の卒後臨床研修となります。数か月ごとにさまざまな診療科で研修を行うので、ハードな毎日な日々もあるでしょう。
このように、医学部で6年学んで卒業しても研修医として2年の修業期間が必要となるので、合わせて8年間必要です。現役で医学部合格して、留年せずに卒業して国家試験にパスできたとしても8年かかります。最短で8年なので、もし留年したり国家試験に不合格であったりしたら、もっと長い期間が必要になるのです。
医学部受験・合格までにどれくらい費用がかかるのか
一般的に医師になるためにはお金が必要だといわれます。実際に医学部に合格するためには、どれくらいの費用がかかるのか解説しましょう。
予備校にかかる費用
医学部予備校に支払う費用は、安くはありません。一般的な予備校に通う場合に比べて、高額になる傾向があります。年間の費用の相場は、個別指導の場合は350~600万円くらいです。個別指導は人件費がかかるので費用が高くなりますが、一人ひとりの学力に合わせて指導してもらえるのがメリットですね。医学部受験で重視される面接や小論文にも手厚く指導してくれます。
少人数指導の医学部予備校の場合は、年間で300~500万円くらいが相場です。少人数なので落ち着いて指導を受けられ、個別指導よりは安価です。もしも寮に入って医学部予備校に入る場合は、寮生活にもお金がかかります。年間100~150万円くらいが必要になるでしょう。
また、医学部専門の予備校ではなく、一般的な大手予備校が提供している医学部コースもあります。その場合の費用相場は、年間で80~150万円です。ただし、コースや受講する講座の数によっても費用は変わり、リーズナブルな料金で通える医学部予備校もあります。
医学部受験にかかる費用
受験料としては、2022年度では共通テストの3教科以上受験の場合は1万8,000円です。国公立大学の2次試験は1万7,000円、私立大学医学部の受験料6万円です。
遠方の場合は交通費や宿泊費も
受験にかかる費用は受験料だけではありません。交通費や宿泊費などもかかります。必要な費用は削れないものですが、なるべく出費は抑えたいものですね。
そんなときは受験生割引や早期割引、新幹線回数券、学生割引などを活用するのがおすすめです。宿泊費用については、受験生向けのパックプランを利用するのがよいでしょう。
試験当日に試験会場へ送迎してくれたり、弁当を用意してくれたりといったサービスもあります。ホテルのシングルルームの宿泊なら、1泊朝食付で1万円弱~2万円弱くらいが中心です。
入学時にかかる費用
医学部に合格すると、初年度納付金を納めなければなりません。入学金や授業料、施設設備費、実験実習費などが含まれます。このうち、入学手続きで納入しなければならないのは、入学金と前期の学費です。
初年度納付金は、国公立大では標準で81万7,800円となっています。内訳は入学金が28万2,000円、授業料が53万5,800円です。しかし、私立大学医学部の初年度納付金は大学によって大きく異なります。
医師国家試験に合格すれば選択肢が広がる
医師になるためには、難関である医師国家試験に合格しなければなりませんが、合格後は自分で診療科を決めることになります。ほかの職業と比べて、医師は一人前になるまでの道は長いものです。しかし、研修医として働きながら、自分の適性を考えて最終的に診療科を決められるのです。
まとめ
医学部受験を突破するためには、予備校に通うなど高額なお金もかかります。見事受験に合格しても、医師は命を扱う仕事なので、医学部で覚えるべき知識は膨大です。医師として一人前になるには、最短でも8年という長い時間がかかるので、固い決意がないと医師になるのは難しいともいえるでしょう。
しかし、国家試験に合格すれば、自分の適性に合った診療科を希望できるので、選択肢が広がりますね。医師を目指している人は、まずは医学部合格を目指してください。